環境科学センターにおける無機廃液処理

  • 環境科学センターの無機廃液処理は,本学における教育・研究活動により生じる無機廃液中の重金属を固体として液中から分離するものであり,この処理を行うため無機廃液処理装置(同和工営(株)製)が備えられている。
  • この処理方法は鉄粉法と呼ばれるもので,還元能を持つ鉄粉による重金属の析出と溶解した鉄イオンによる凝集沈殿を利用して,廃液中の重金属を回収する。
  • 実際の処理業務は水都工業株式会社に委託している。

無機廃液処理の流れ

無機廃液の分別貯蔵

各実験室においては,無機廃液を以下に示す8つの分類ごとに貯蔵する

無機廃液分類

無機廃液の分類と保管上の注意点等

廃液処理申請システム

無機廃液処理を希望する者は,申請期間内に廃液処理申請システムhttps://kit-wlas.net/app/)によって,Web申請を行う。

廃液の搬入

利用者は,指定された日に,内容物が記されたラベルと廃液分類を示すラベルをタンクに貼付した上で,無機廃液処理施設内に搬入する。

処理施設における無機廃液処理

センター内の処理施設により廃液中の重金属が回収される。処理中に発生するガスや処理後の排水も適正に処理される。

廃液タンクの返却

処理終了後、廃液タンクを返却する。

無機廃液の分別貯蔵

  • 各実験室においては,無機廃液は下表に示す8つの分類ごとに貯蔵する。
①水銀系廃液
⑤無機酸廃液
②シアン,ヒ素系廃液
⑥フッ素系廃液
③重金属系廃液
⑦リン,カルシウム廃液
④クロム混酸廃液
⑧アンモニウム化合物系廃液

分別貯蔵上の注意

  • 発生の経緯が同じである廃液が比較的多量にある場合は,同じ区分であっても他の廃液とは混合せず単独で貯蔵し,処理に出すことが望ましい。
  • ある区分の廃液中に少量の他の区分の化合物が混入することはやむをえない。その場合は,内容物を正確に記録・表示しておくこと。
  • 無機廃液処理の際に搬入が可能であるのは20L以下のポリ容器のみであるので,注意すること。また、傷んだポり容器は絶対に使用しないこと。

無機廃液分類

無機廃液分類
廃液に含まれる対象物質
注意点
①水銀系廃液
無機水銀化合物

金属水銀,アマルガム水銀等を
含まないこと。
有機水銀化合物は無機化すること。
②シアン,ヒ素系廃液
遊離シアン
無機ヒ素化合物
有毒な青酸ガスが発生しないよう,NaOHでpHを10.5以上にすること。
錯シアンを含まないこと。
重金属,特に6価クロムを混入しないこと。
③重金属系廃液
Fe/Ni/Co/Zn/Cu/Cd/Mn
Pb/Ga/Mg/V/Ti/Ge/Sn/Al/
Cr3+等の化合物
金属と水中で安定な錯化合物を形成するような物質(EDTA,シアン化物イオン,酒石酸など)を含まないこと。
Be, Tl, Osを含む化合物,ニッケルカルボニル等の作業者の健康障害を引き起こす化学物質を混入しないこと。
④クロム混酸廃液
クロム混酸(二クロム酸カリウムまたは二クロム酸ナトリウムの飽和水溶液と濃硫酸との混合溶液)
ガラス器具洗浄剤,六価クロム含有
⑤無機酸廃液
塩酸,硝酸,硫酸などフッ化水素酸は⑥,
リン酸は⑦の区分に入れる。
⑥フッ素系廃液
フッ化水素酸(フッ酸HF)
無機フッ素化合物(フッ化物)
フッ化水素の発生に注意すること。pH10以上にして貯蔵する。
⑦リン,カルシウム廃液
リン酸,メタリン酸
リン酸塩
カルシウム塩
有機リン化合物を含まないこと。
⑧アンモニウム化合物系廃液
アンモニア水
水酸化アンモニウム
無機アンモニウム塩
重金属系廃液を混入させないこと。

廃液中に混入してはいけないもの

1)固形物質
廃液中の固形物質の存在は作業を困難にするので,
大きな固形物は取り除くなどした後処理を依頼する。
このときの固形物の処理については,主任あるいは
環境科学センター教職員に相談すること。
2)有機化合物
本施設では有機化合物は処理されず,その存在により
施設の処理能力は著しく低下するので,有機物が含まれる
場合は原則として取り扱わない。
3)有毒物質
処理中作業員に著しい健康障害を引き起こす危険性のあるもの。
Be, Tl(タリウム), Osを含む化合物、ニッケルカルボニル等。
酸性のシアン廃液。
4)爆発の危険を有する物質
シアン処理剤(次亜塩素酸ナトリウム)との混合で爆発の危険を
有するもの。
過酸化物あるいは過塩素酸塩等の爆発の危険性を有する物質。

無機廃液処理施設で処理できない廃液

廃液の種類
処理方法
1)写真廃液(現像液)
有機廃液処理(年3回)で回収する。
2)錯形成剤*が混入している廃液
*EDTA,酒石酸等
有機廃液処理(年3回)で回収する。
または、クロム混酸処理後,無機廃液として処理する。
3)錯シアン化合物
有機廃液処理(年3回)で回収する。
4)有機水銀化合物を含む廃液
クロム混酸,NaOClまたはKMnO4処理後,無機廃液として処理する。
5)有機リン化合物を含む廃液有機廃液処理(年3回)で回収する。

廃液処理申請システム

  • 無機廃液処理は,年1回(7月頃)センター内の処理施設を使用して実施する。
  • 6月初めに全学メールで案内を配信するので,無機廃液処理を希望する者は,申請期間内に廃液処理申請システムhttps://kit-wlas.net/app/)によって,Web申請を行う。
  • システムには,研究分野等に配付済みのアカウント情報でログインする。
  • 廃液の登録は1タンクごとに行う。
  • 入力項目は下表の通り。
入力項目内容注意
容量
搬入できるのは20L以下のポリ容器のみ。
廃液の分類
前述の8つの分類の中から
該当するものを選ぶ
区分の異なる廃液が混合されている場合は,
そのすべてを選ぶ。
内容物と濃度 (mg/L)
廃液中のすべての含有物名
及びその濃度
できるだけ詳しく,正確に記入すること。
記入に不備のある場合は,処理を受け付けない
ことがある。
pH
振替予算情報
所管・財源・目的
翌年度に、処理費用の受益者負担額を
有機廃液処理費用とともに予算振替で
徴収する
排出責任者情報
所属,研究分野,責任者氏名,
連絡先(内線電話・E-mail)
学生実験の場合は,学生実験名も記入する。

※ アカウントが無い,利用方法がわからないなどの場合は,環境科学センター 廃液処理担当(haieki@environ.kit.ac.jp)までご連絡ください。

廃液の搬入

  • 利用者は,廃液処理の案内メールに記載された指定日に廃液を無機廃液処理施設内に搬入する。
  • 整理番号,研究分野名および内容物が記されたラベル(搬入ラベル)と廃液の分類を示すラベル(分類ラベル)をタンクに貼付した後,指定された場所に置く。
  • 区分の異なる廃液が混合されている場合は、含まれる廃液の区分を示す分類ラベルをすべて貼付する。

処理施設における無機廃液処理

  • 環境科学センターの無機廃液処理装置は、還元力のある鉄粉を使用することで、還元剤を添加しなくても6価クロムを3価クロ ムに還元できる。
  • カルシウム処理とフッ素吸着樹脂の2段階処理を行うことで、処理水中のフッ化物イオン濃度を1ppm以下(下水道法の排水基準値は8ppm未満)にできる。
  • 処理中に発生するガスは,活性炭吸着を行って無害化した後に大気中に放出する。
  • 分離後の重金属等の有害物質を含有したスラッジは,同和鉱業株式会社の金属回収システムにより再生利用される。
  • 処理後の排水は,下水道法に定められた項目について分析を行い,排水基準に適合している場合のみ放流している。

廃液タンクの返却

  • 無機廃液搬入者には,廃液処理終了後タンクの返却日時をメールで連絡するので,時間厳守で回収のこと。